最近、テレビなどでも話題になるも、あまり実態が知られていない病理診断や病理医について、今回は主に一般の方向けの記事です。
はじめに
最近はテレビドラマ、フラジャイルのブレイクやまた、芦田愛菜ちゃんが、将来の夢として「病理医」を上げたことをで、病理医の知名度が向上したことと思います。
ぱそ太郎も、病院の廊下を歩いていたら「テレビで見ましたよ!」と他科の先生に声をかけられたことがあります。
(もちろんぱそ太郎自身はテレビに出演していません。)
病理診断って?病理医って?
医師が患者さんの病気を診断し、その後の方針を決定するためには、問診や身体診察、検査やレントゲンなどを用いて総合的に判断(診断)をします。病理診断は病気の種類を診断するための一つの方法です。つまり、主治医の先生とは違った方法、違った視点で患者さんの病気について判断をします。特に、癌などの腫瘍性の病気では、病理診断は病気の名前を確定する事もできる方法になります。そもそも、病理とは、病(やまい)の理(ことわり)を、解明する学問です。病理診断とは、その知識を使い、目や顕微鏡で、実際に、病変そのものの形を観察することで、病気の成り立ちを判断して、病気を診断することです。この病理診断を専門的に行う医師が病理医です。実際の病変そのものの形を観察して判断を行う、ということが、他の臨床の先生のアプローチとは大きな違いです。逆に臨床の先生は、特に内科では、基本的に病変そのものを観察することが難しいですので、患者さんの訴えを聞いてその内容を分析することや、体を外から診察すること、検査の結果を解釈することで、体に何が起こっているのかを考えて病気の診断をしています。
具体的に、病院ではどんな場面で、医療に関わるのか?
病理診断の結果を患者さんにお伝えするのは、主治医の先生ですので、病理医が直接、患者さんと接する機会は少ないのですが、例えば、胃や大腸、肺といった体内の病気がある部位を内視鏡を使って採取された時や、皮膚や口、のどといった体表から採取可能な、体の病気のある部位の一部を採取された時などは、病理検査に患者さんのお体の一部である検体は提出されています。それを、専門の臨床検査技師が顕微鏡観察可能な形に加工し、標本を作成し、病理医が標本を顕微鏡で観察し診断しています。ですので、病理は様々な診療科での病気の診断に関わっています。また、採取された検体は、そのままでは、顕微鏡では観察できず、病理診断はできませんので、臨床検査技師による標本作製が必須です。
とは言っても、あまり、イメージがわきません。
では、次回は、具体的に病気が見つかって治療を受けた時を例に、診療の流れの順を追ってご説明します。
以下は続きの記事です。