はじめに
投資についての、基本的な、そして重要な一般的な話、あるいは具体的な方法はすでに、諸先輩方のブロクに詳しいですので、ぱそ太郎が投資の話を書くときは、基本的に若手医師を対象としたターゲットを絞った記事であるということをご理解下さい。
ぱそ太郎の投資行動
ぱそ太郎が行っている投資行動は、自己投資(医師としての能力向上)、株式投資です。株式投資の対象は主に米国としています。米国株投資はETF(上場投資信託)で行っており、確定拠出年金、NISA、特定口座で行っています。その他、勉強のためにロボアドバイザー(Welthnavi)を通しての米国籍ETF投資(米国外を対象とするETFを含む)を少々しています。
自己投資
これは医師に限らずどんな職業でも共通ですが、特に若いうちは、その職業についての自己研鑽が大切です。一日8時間以上、仕事のための時間というのは強制的に確保されているわけですので、その時間を有効に使わない手はありません。病理は、外来枠のように時間で拘束されませんので、自分の診るべき標本がみおわれば、あとは比較的に時間を自由に使う裁量があります。診断が早くなれば、時間があまり、更に勉強やカンファレンスの準備など、知識や考え方の向上に時間を使うことができるというサイクルをつくることができます。仕事の能力を向上させることの大切さは言うまでもありません。しかし、これだけが大切という人が医療業界では多いです。しかし、ぱそ太郎はこれは危険な考え方と思います。30年後の医療を予想すると仕事の内容は変わってきているでしょう。そして、仕事の能力向上という点でも、木を見て森を見ずにならないようにしなければ行けません。よい森林とは何かという知識は普遍的と思いますが、森林の枝葉の伐採法など方法論は、どんどん変わっていくでしょう。手前味噌で恐縮ですが、病理総論の考え方を元に、疾病を理解する力は比較的普遍性が高いと思います。ぱそ太郎はいつも、人工知能時代に求められる医師像を考え、それに向けてどうすればよいかを考えています。
株式投資・投資対象国
投資対象国をどことするかは、個人の判断によるところがあると思いますが、経済成長国、人口増加国、法整備国、株主尊重の考えがあるなど、が重要でしょう。やはり結局のところ、資本主義の本場である米国は外せないという事になってくると思います。もちろん、ぱそ太郎が米国人であれば、分散のために、日本株など他の先進国や中国株も含めるという選択肢もあると思います。また、米国株での資産形成が進めば、その時の状況を見ながら他の国もという可能性もありますが、ぱそ太郎の資産規模ではまだそこまで分散する必要がないため、まずは、米国株で資産形成をしていくという段階です。医師は基本的に普段、日本円で給与所得を得ていますので、資産の分散という点でも、米国投資など、給与をもらう国以外の通貨で投資をする方がよいと思います。
自由診療の世界にいる方以外は、保険診療の範囲で病院は基本的に成り立っています。国民医療費の原資は、国民の方々・事業主が納付する健康保険料、公費(国庫・地方)です。健康保険料は収入によって決まりますし、公費はもともと税収です。つまり、日本の経済発展なしには、国民医療費は増えない、ということになります。残念ながら、30年後、人口も減少に転じると考えられる中、日本が今より経済発展しているでしょうか。もちろん、日本企業の多くの主な市場は日本ではなく、海外にはなってきており、海外で収益をあげる構造を持っている企業は、有望と考えられますが、国内需要には限界があります。また、ぱそ太郎が最近医療業界の構造でも思うことは、特にオンコロジー領域で顕著ですが、高額な外資系企業の薬剤が台頭していますが、これらは日本の国民医療費がどんどんと外資へと流れていっているという構造です。そういう意味でも、これを日本人としてどう考えるかというところはありますが、個人レベルの資産形成という観点で考えると、グローバルに展開する米国優良企業を含む米国株投資が有力な選択肢となっていくことは必然と思います。
基本はETF
ぱそ太郎は株式投資を個人投資家は基本的にETF(上場投資信託)で行うべきと考えます。ニューヨーク証券取引所に上場する米国籍ETFは信託報酬の点で非常に優れているものが多数あり、また高い流動性があります。また、有力な指数(S&P500やCRSP U.S. Total Market Indexなど)に連動するものが多数あり、非常に使い勝手がよいです。どんな指数がよいかは基本的には金融庁がつみたてNISAの対象として発表している指数に対応する商品がよいでしょう。また、基本はETFを用いた米国分散投資が簡単だと思います。ぱそ太郎はバンガード社のS&P500対応のVOOや米国市場にまるごと投資できるCRSP U.S. Total Market Indexに対応するVTIが好みです。
もちろん、腕に自身があったり、十分な時間を投資に割けるならば、個別株投資もよいでしょう。しかし、日常の医業も行いながら、個別銘柄の選定や投資まで、手が回る人は少数と思います。投資が趣味という人は、資産の5%未満ずつとするなどルールを決めて、個別株もやってもよいかもしれませんがこのあたりは個人の好みでしょう。しかし、ぱそ太郎の実感としては自分が関係している医療業界の今後すら予想するのも難しいのに、専門外の領域の今後の業界地図を予想することは難しいな、と思います。
確定拠出年金
以前は、個人型確定拠出年金は、入れる人と入れない人がいて、転勤が多い医師にとっては、異動する病院(公立病院など)によっては拠出ができなくなるなど、デメリットもあり、あまり加入する人が少なかったのではないでしょうか。2017年1月からは、60歳未満のほとんどすべての国民が加入できるようになり、転勤が多い医師にとっても利用しやすい制度となりました。確定拠出年金は、これから資産形成をしていこうという若手医師にとっては必須の制度です。確定拠出年金は、税制優遇を受けながら、資産形成が可能です。確定拠出年金を通して、投資をすることは、投資を始める上での登竜門ですので、まだ投資をしたことがないという人はここから手をつければ良いのではないでしょうか。確定拠出年金については、以下のエントリをご覧ください。
ロボアドバイザー(Welthnavi)について興味がある方はこちらからどうぞ。