病理医ぱそ太郎の病理と日常

温泉好きのふつーの若手病理医、ぱそ太郎が病理、医療などについて日々考えることを綴ります。有益な情報を発信できればと思います。ぱそ太郎Lab.

個人型確定拠出年金 (iDeCo)を利用するには?若手医師必見

個人型確定拠出年金 (iDeCo)は、若手医師にとって利用しない手がない制度であることは、前回の記事で書きました。

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加入の最初の第一歩

個人型確定拠出年金 (iDeCo)の加入の上でのややこしさは、実施主体と利用者の窓口である運営管理機関が異なっていることによると思います。

個人型確定拠出年金 (iDeCo)の実施主体は国民年金基金連合会ですが、実際に加入者が加入や運用商品の購入などでやり取りをするのは、運営管理機関(証券会社や銀行などの金融機関)ということになります。加入する上でまず考えるべきことは、利用する運営管理機関(証券会社や銀行といった金融機関)を選ぶことです。

手数料について

実施主体と実際の運営管理を行う機関が異なっていることは手数料にも関係し、手数料が、国民年金基金連合会、事務委託先金融機関(国民年金基金連合会から委託を受けて実際の資産の管理をする機関)、運営管理機関でそれぞれ発生するということになります。運営管理機関は証券会社や銀行によって手数料が異なっていますが、国民年金基金連合会と事務委託先金融機関の手数料は一律です。利用者にとって実際の窓口となる運営管理機関は自由に選ぶことができますので、証券会社や銀行などがしのぎを削っており、運営管理機関の手数料無料というところも複数でてきています。運営管理機関の手数料が無料のところを選べば、手数料は国民年金基金連合会と事務委託先金融機関にのみ支払うということとなり、加入時2,777円(国民年金基金連合会)、毎月積立を行う場合、月に167円(国民年金基金連合会と事務委託先金融機関の手数料の合計)ということになります。

 手数料無料の運営管理機関を選ぶべし

それでは具体的にどのように加入するのでしょうか。

まずは、どこの運営管理機関にするかを選ぶ、ということから始まります。手数料や運用商品のラインナップ(いずれも運営管理機関によって異なります)から決めることになります。運用商品の動向の予想は不確実ですが、手数料は手数料が高ければ、確実にその分マイナスになりますので、手数料は運営管理機関の手数料が無料のところを選ぶとよいと思います。手数料無料という点では、2017年10月時点では、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、大和証券、イオン銀行あたりから選ぶと良いのではないでしょうか。特にSBI証券と楽天証券は、手数料、運用商品のラインナップなどの点で競い合っており、おすすめと思います。ちなみにぱそ太郎はSBI証券を利用しています。

まずは資料請求、その後病院の事務へ

個人型確定拠出年金 (iDeCo)については、基本的に勤務先の病院から加入の案内がある訳ではないので、自らアクションを起こす人だけが利用できる制度です。自分で運営管理機関(証券会社や銀行など)である証券会社や銀行に資料請求をし(インターネットでも可能)、加入申出書を入手し、その申込書を病院の総務担当(年金や保険、給与関係の担当をしている部署)に提出し、加入資格があることの証明をしてもらい、完成された書類をその他必要書類とともに、自分で運営管理機関が指定する送り先に返送する必要があります。すると、無事加入できると国民年金基金連合会から加入資格確認結果通知と運営管理機関からどのように今後段取りをすればよいかの案内が来ます。それに沿って、拠出金で購入する運用商品を決めていくことになります。

運用商品についての考え方

個人型確定拠出年金で選択する運用商品には元本確保型と価格変動型があります。価格変動型の商品は投資信託ということになります。基本的に、弊ブログでは若手医師を読者の対象としていますので、余剰資金で行う長期投資ということで書いていきます。その点では、価格は変動しますが(プラスもありえるが、マイナスも当然ありえる)、海外株式クラスの商品が基本になると思います。マクロ経済の視点で、先進国がさらに伸びると考える人は先進国株式を、米国がさらに伸びると考える人は米国株式を、やはりこれからは新興国だろうと考える人は新興国株式をという感じで選べばよいと思います。先程も書きましたが固定費が高いことは確実にリターンを悪化させますので、信託報酬が安いものを選びましょう。このように大まかに考えるだけで運用商品をどうするかはほとんど決まってきます。

ぱそ太郎は米国株式を選んでいます

ちなみに、ここからは極めて個人的見解ですが、ぱそ太郎は米国投資派ですので、今後個人型確定拠出年金の運用商品で、米国株式の種々の指数に連動する低コストのインデックスファンドが増えてくることを願っています。現状では米国の代表的な指数連動のインデックスファンドで、確定拠出年金で購入できる運用商品としては、NYダウをベンチマークとするiFree NYダウ・インデックスや、たわらノーロードNYダウしかありません。NYダウも優れた指数ですが、分散性という点では30種ですのでやや心もとないとも考えられます。現在(2017年10月)のところ確定拠出年金の運用商品としてラインナップされていませんが、今後、さらに分散が効いた、S&P500やCRSP US Total Marketをベンチマークとする低コストな投資信託が確定拠出年金の運用商品としてラインナップされることを非常に期待しています。最近ですが、ついにS&P500やCRSP US Total Marketをベンチマークとする低コストな投資信託が出てきましたので、今後これらが確定拠出年金の運用商品となって欲しいな、と考えています(2017年10月現在はまだ個人型確定拠出年金の運用商品ではないと思います)。これは個人的な希望です。

→この記事のあと、楽天証券取り扱いで、CRSP US Total Marketをベンチマークとし、全米株式を投資対象とする楽天証券で楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド (全米株式))の取り扱いが始まりました。これからiDeCoで米国株を対象とする投資をする人にとって有力な選択肢となるでしょう。

 

ぱそ太郎の資産運用シリーズです。

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 おすすめの運用商品についての記事も書いています。

楽天証券のiDeCoで取り扱われている楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド (全米株式))はVTIに間接的に投資することになります。iDeCoにおいて今後非常に有力な選択肢となるでしょう。

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