病理医ぱそ太郎の病理と日常

温泉好きのふつーの若手病理医、ぱそ太郎が病理、医療などについて日々考えることを綴ります。有益な情報を発信できればと思います。ぱそ太郎Lab.

皮膚腫瘍のWHO分類2018・WHO Classification of Skin Tumours, 4th ed. 発売されています。

WHO Classification of Skin Tumours, 4th ed. 発売されています。

皮膚腫瘍のWHO分類が2018年、久しぶりに改訂されたことはご存知と思いますが、皮膚腫瘍は独自路線を行っているというか、あまりWHO改訂されたからといって診断がガラッと変わるということがない分野なようなところのように思います。ルーチンの皮膚腫瘍の診断で、皮膚病理の教科書を和洋問わず開くことはあっても、皮膚悪性腫瘍の癌取扱い規約やWHOを開く、というのは他の臓器に比べると頻度が低いように思います。

そんなわけで、ぱそ太郎は皮膚科の検体は日常の診断で割とよく見る方なのですが、もともとあまり、WHOを気にせずに、診断していたこともあり、皮膚腫瘍のWHOが改訂された後も、出版されてからしばらくちゃんと開いていませんでした。

 

WHO Classification of Skin Tumours (Who Classification of Tumours: International Agency for Research on Cancer)

WHO Classification of Skin Tumours (Who Classification of Tumours: International Agency for Research on Cancer)

  • 作者: David E. Elder,Daniela Massi,Richard A. Scolyer,Rein Willemze
  • 出版社/メーカー: World Health Organization
  • 発売日: 2018/09/21
  • メディア: ペーパーバック
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 ↑amazonで購入可能です(洋書は基本的にamazonが安いです)。

しかし、今回、ふと手にとって見てみたのですが、普通に皮膚腫瘍病理のテキストとしておすすめと思いました。何が良いかというと、ルーペ像がほとんどすべての腫瘍に対して載っています。皮膚腫瘍はマクロとの対比が特に大切で、マクロの違いは基本的にルーペ像に反映されます。その点で、直感的に理解しやすい綺麗なルーペ像が掲載されており、非常に理解しやすくなっています。これは推測ですが、おそらくバーチャルスライドでルーペ像を取り込んでいるのかな?と思いました。このルーペ像のクオリティは、他のテキストよりも優れていると感じました。

日常診療で、皮膚腫瘍のWHOは正直なところ、血液や軟部組織と比べて開くケースは少ないかな、とも思います。しかし今回の版に関しては、純粋にテキスト、アトラスとして利用価値が非常に高いと感じました。

WHO Classification of Skin Tumours, 4th ed.購入する価値があると感じました。

 

他にも書籍紹介のエントリがあります。よろしければご覧下さい。

www.patho-spa.com

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